見逃しやすい子供のむずむず脚症候群
子供でもむずむず脚症候群になるの?遺伝との関係は?
むずむず脚症候群は大人に多い病気で、年齢を重ねるごとに発症する人が増えていき、ピークは70歳といわれています。しかしむずむず脚症候群は子供にはまったく発症しないのかというとそんなことはありません。幼児や小学生、思春期あたりの子供が発症するケースもあるのです。
通常、むずむず脚症候群は鉄分不足によってドーパミンの働きが低下していることが主な原因と考えられていて、子供の場合も鉄分が不足して発症していることが多いです。鉄分不足が原因であれば鉄分を摂取すれば症状は治まっていきます。
しかし中には体内の鉄分量が十分あって正常なのにむずむず脚症候群になってしまう子供もいます。こういったケースは遺伝的要因が関係しているのではないか、といわれています。というのも、両親がむずむず脚症候群である子供はそうでない子と比べて3倍も発症する可能性が高く、実際に発症した子供の親のどちらかがむずむず脚症候群である割合は7~8割にまでのぼるそうです。
子供のむずむず脚症候群は見逃しやすい?
子供にむずむず脚症候群が発症しても、症状は大人に発症した場合と同じです。ただ、むずむず脚症候群の症状は言葉にしにくく、人に伝えにくいことが特徴です。
- 肌の上を虫が歩いているような感じ
- ほてりやかゆみがある
- チクチクしたりチリチリした痛みがある
こういった症状をきちんと親や医師に伝えることができれば良いのですが、子供だとなかなか言葉が出てこずに受診する科を間違えたり、医師が診断を誤ってしまうこともあります。
よく間違われるのは「ADHD(注意性欠陥多動性障害)」です。これは発達障害のひとつで、むずむず脚症候群の症状で脚がむずむずして落ち着けないのを勘違いして、ADHDのじっと座っていられないなどの症状として誤診することがあります。他にも、説明が不十分だと「慢性運動性チック」や「アカシジア」、「行動性不眠症」などと間違われることもあるので、普段から子供の様子を見て、どんな症状なのか、どんな不快感なのかをしっかりと聞いておくことが大切です。
むずむず脚症候群かどうかを判断するには、下に挙げた4つに注意してみてください。
- 脚の表面よりも内側に不快感がある
- 一日の中で夕方~夜にかけて症状が出ることが多い
- 動いているときや集中しているときは症状が出ないのに動いていないと症状が出やすい
- 不快感が出るとじっとしていられなくなる
子供がむずむず脚症候群であるとわかったなら、病院で処方された薬だけでなく、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れたり、食事やサプリで適度な鉄分の摂取をさせていけるよう意識してみましょう。子供は成長に伴って症状が治まっていくこともありますが、最も大事なのは親や周囲が症状を理解し、ストレスを感じさせないよう治療していくことです。